DXは重要かつ緊急な認識を – 2025年の崖の認識と、何から始めるか

DX(デジタルトランスフォーメーション)と言う言葉が日本を席巻し始めてだいぶ経ちました。しかし、日本のDXは進んでいるのでしょうか?

2025年の崖とは

2025年の崖という言葉があります。これは、IT人材の大量引退と、既存のレガシーシステムやレガシーソフトウェアのサポート終了などが重なり、2025年までにそれらに対する対策を施しておかないと、日本全体で年間最大12兆円もの経済損失が発生するであろうという経済産業省のレポートから発した言葉です。

現在は2021年も半分過ぎました。DX、デジタルシフトとレガシーシステムからの脱却は「重要だが緊急ではない」課題から「重要かつ緊急」な課題になっているはずなのに、まだ世間に緊張感が漂っていないことに筆者は危機感を感じます。

デジタルトランスフォーメーションとは

デジタルトランスフォーメーションとは、

DX(Digital Transformation)とは、元々は、「テクノロジーの進化によって人々の生活を豊かにするもの」として提唱されている概念です。

「豊かにするためにデジタル技術を使いこなし広める」必要があり、既存の社会に改革をもたらす可能性が高いものであるだけに、「デジタル技術による革新的なイノベーション」を指すような文脈で利用されることも少なくありません。

しかし、日本の経済社会は、このイノベーション以前のデジタル化とシステムを最新に保守することすらもままならない状況です。

システムリプレースはDXとは関係ない

何から手をつけるか、DXは莫大な投資が必要でなかなか進まないなどの話もよく聞きますが、莫大な投資が必要になるのは主に「レガシーシステムのリプレイス」です。

多くの大組織が自社の業務をするための機関システムとして、レガシーなシステムを使っており、それらを保守できる人がこれから一気に引退していきます。

これらが引き起こす事故や業務停止などこれから計り知れない問題が出てきますが、それはデジタルトランスフォーメーションとは全く関係ありません。

大切なのは「リプレースして新たに大規模システムを作り直す」という発想をするのではなく、「小さなソフトウェアやクラウドを組み合わせて以下に既存システム以上の管理を実現するか」という、新しいクラウド型思想に切り替えていくことであって、レガシーシステムを捨てたらDXが進むわけでは微塵もありません。

きちんと分けて考えることが大切です。

小零細企業は何から始めるか

多くの中小零細企業にとっては、シンプルに以下の3つだけです。

  1. 会社・商品・サービスの全ての強みを言語化し多様に展開可能な元デジタルデータを作りましょう。
  2. 紙とExcelの管理とFAXを捨てましょう。
  3. 言葉だけのコミュニケーションで終わらせるのをやめましょう。

何が大切かの1番でいうと、自分たちがやっていること、サービス、何を提供しているのかの提供価値をきちんと言語化し、何が競合他社と違うのかをきちんと言語化して、それがデジタルデータになっていて発信できる体制を整えておくことです。

業務のデジタル化を称してとにかくシステムを構築しないと、でも何から始めたらいいのかわからないという会社も多いと思います。そういうときは、システムコンサルタントやアドバイザーに相談をして、業務に合わせた小さなツールの導入を一つずつ進めるのが良いでしょう。

業務の指示が口頭で飛び交う職場はノウハウも知見も蓄積できません。可能な限りタスクもツールを使って管理するなど、やること、やっていることをどんどんタスク管理ツールで可視化していくことをお勧めします。

中企業以上の規模の会社は何から始めるか

まずは以下の3点が重要です。進んでいますか?

  1. 会社・商品・サービスの全ての強みを言語化し多様に展開可能な元デジタルデータを作りましょう。
  2. 人海戦術を勇気を持って捨てましょう。
  3. 仕事の状況を可視化するようにタスク管理ツールを必ず導入しましょう。

中企業以上だと、DX以前にレガシーシステムの入れ替えに四苦八苦してしまっているところは多いと思います。しかし、それはDXとは別の話です。

大切なことは、やっていることがデータ化される習慣をつけていくことです。口頭の指示で済ませるのは楽ですが、自社のことをしっかりと言語化、データ化することを疎かにしてはDXはままなりません。

そのためにも、人海戦術で調査や入力業務をさせているような業務も見直して自動化ツールを使い、人がいるからとりあえず人にやらせるという体質を変えること、そして、何をやっているかが明確になるようにツールを導入することは、マストであると言えます。